事業承継税制(特例措置)とは?利用方法とメリット・デメリット
事業承継を行う際、株式などに莫大な相続税・贈与税がかかります。これらの税金が事業承継の足枷となっていたため、納税を猶予できる制度として事業承継税制が2009年に作られました。
そこに経営者の高齢化、そして廃業する企業の増加が危惧されたため、2018年から特例措置が設けられたのです。
この特例措置は全株式を対象に、相続税・贈与税が100%納税猶予されます。従来の制度では対象となる株式が発行済議決権株式総数の3分の2、猶予割合は相続税89%、贈与税100%でしたから税負担はかなり抑えられます。
この特例措置のメリット、デメリットについて簡単に見ていきます。
○メリット
最も大きなメリットは税負担が大きく抑えられることでしょう。また従来の制度では承継後5年間は雇用の8割を維持しなければならないという要件がありましたが、この要件が事実上なくなったため、承継後のリスクも減ったといえます。
○デメリット
デメリットとしては、事業承継後に次のことをした場合、猶予されていた税金を支払わなければならないことが挙げられます。
例えば、後継者が代表出なくなった場合、株式を売却した、後継者が筆頭株式ではなくなったなどの場合です。
また手続きが煩雑であることに加えて、適用期限が2027年12月31日までであることにも注意が必要です。
早めに準備していかなければこの制度を利用して、税負担を軽減することができなくなってしまいます。
この特例措置を利用するためにはさまざまな要件があります。現経営者が50%を超える株式を保有していることや、後継者が役員であること(贈与の場合は役員就任後3年以上)、相続・贈与直後に代表者とならなければならないことなどが主な要件です。
事業承継税制の特例措置を利用する場合、早急に準備することが重要です。
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神奈川県立七里ガ浜高等学校卒業
日本大学理工学部建築学科卒業
名古屋商科大学大学院会計ファイナンス研究科税法学コース修了(MBA)
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